これまでAndroidアプリを作ってはきたものの、正直まじめにAndroidを触ったことはありませんでした。まじめに、という表現はあれかもですが、検証とかではちょこまかさわっていたけど実生活に即して使うということはしてなかった、という意味です。
最近Android端末を生活の中で終始さわっていた中で、Androidアプリの使い心地についていろいろ考えたので脳内整理がてら考えつつ書きます。
iPhoneとはやっぱり違う
当たり前ですがiOSとはAndroidはまったく違います。
具体的にどう違うかというと、考え方が違います。
よく「iOSアプリをそのままAndroidアプリにするとよくない」といいますが、よくないってわけではなくて、最適ではない、の間違いです。正直なところiOSアプリそのままのUIもってきたAndroidアプリでも、そもそもiPhoneアプリの時点でかなり綿密に設計して作り込まれたアプリなら、Androidアプリが同じUIでも極端に使いづらくなるってことはないんじゃないかなと。
ではなんでよくない、最適ではないかというと、前述した通り「考え方」が違うから、同じ考えで提供すると使う側のストレスになるよってことです。「考え方」がわかりにくければ「文化」が違うといっちゃう方がしっくりくるかもしれません。日本では家に入るとき靴をぬぐけど、海外では靴のまま家に入る、と同じ感じで文化が違うので、どっちかの意識そのままでどっちかに入りこむと、まぁ頭では理解できるんだけどストレスたまる、みたいなかんじ。
さらにもうちょい細かくポイントで「ここ違うなぁ」と思ったところを3つ。
Androidを使う上でベースとなる動き
▼画面切り替えはタブではなくスワイプ
これがiPhoneずっといじってきた身としては慣れないのですが、Androidのベースの画面切り替えはスワイプなんですよね。
iOSアプリでもわりとスワイプして画面切り替えるアプリ増えてきたので、別にかわんなくね?と思うかもしれませんが、ちがいます。
だって初期にAppleが公式で提供してたプリインストールアプリの中にスワイプの画面切り替えなんてなかったですよね。iOSでは並列のコンテンツの画面切り替えは全部タブ(下部のナビゲーションバーか、上部のタブバー)遷移なんです。
ただiOSでも「先が続くとわかるもの」の画面遷移、例えばカレンダーとか、ホーム画面で一画面にアプリがいっぱいになっちゃったので次のページにアプリのアイコンがある、とかの場合はスワイプでした。要は、iOS上でスワイプ=先に同様のコンテンツがある場合に使われる画面遷移、であるのに対しAndroidでは、スワイプ=並列のコンテンツの画面切り替え、なんです。
これ結構大きい差だと思うんですよね。
▼情報はまとめて折りたたみ隠す
Androidは収納上手さんで、iOSは見せる収納が得意なようです。
上記の画面切り替えの差についても、なぜにiOSはタブで見せているかというと「何があるか見せるけど、うまいことおさめる」のに長けているのに対し、Androidでは「多くの情報をまとめておいて、必要なものだけ外に出す」ようになっています。
アプリとかがわかりやすいと思うんですが、iOSってインストールしたものが、そのままホーム画面に追加されますよね。Androidは表面と裏面でわかれていて、アプリは裏面に一旦入り、表面に出すかどうかは自分で選びますよね。Androidのデフォルトボタンにメニューがあるのも分かりやすい例かなと。
そこでちょっと検討の余地がありありなのは、その考えをそのままアプリに反映させていいんだろうかってこと。Androidは引き出しや収納ボックスに色んな情報を詰め込まれていて、情報をカテゴライズするのが好きな人にはバッチリでいいと思うんだけど、基本多くのスマホユーザーはめんどくさがりです。めんどくさがりっていうと語弊があるかもだけど「スマホで細かいことをしようと思わない」ってこと。
なので、もしかするとアプリで「この機能をもっと使ってほしい」と思った時に、Androidに則しすぎるとかえって使いづらい、というよりかは、使う頻度が減ってしまう可能性もあるので、ものによってはあえてiOSっぽく見せる収納をがんばるのもアリなんじゃないかな。
▼目線が画面の上にある
これもなかなか大きな違いだと思うのですが、iOSは画面の下、Androidは画面の上に目線がいくように全体的になってるかんじがしました。
恐らくこの違いの元になるのは、iOSはメインで使うメニュー・アプリが下にあるのに対して、Androidは通知系が左上に集中的にくるので、目線の集まるところの設計が違うのではないかなと。
いやいやまてまて、Androidだって下に「前に戻る」ボタンとか「ホーム」ボタンあるよ?というツッコミが聞こえてきそうですが、それって変わらないものじゃないですか。変化しないで常にそこにあるボタンですよね。意識しないものですよね。iOSでホームボタン押す時に意識しないのと同様に、Androidの下の3つのボタンは意識しない動作なので、目線をおろす必要がないわけです。DropboxやPathのメニューが、なんでAndroidアプリは左上にあるんだろう…と考えて悩んで、たぶん目線の集まる先のこと考えたんだろうなーと思った次第でした。
とはいえ、だ。左上にメニューっていうか、そもそも上にメニューって使いやすいんだろうか。目線が集まるのは上なのはいい。それはいい。そういうものだとしよう。でもAndroidってiOSとちがって端末よりどりみどりでしょ?画面がかなりでっかいのもあるでしょ?
だからきっとスワイプで画面遷移、っていうベースの動きがあるんだとは思うにせよ、上に目線を集めるのはいいけど、上にタップするのものを置くのはなんかちがう気がする。でも、下におくのも、ちょっと微妙な気がする。なんでかっていうと、ベースのボタンがあるから。
以前のAndroidのように、ベースボタンがリアルなボタンだったらアプリのメニュー下でも全然よかったと思うんだけど、いまなぜか画面内に入っちゃったし。なぜいれたし。まぁ入っちゃったものは仕方ないけど、せっかく意識せずに使えるベースボタンの近くにアプリのメニューあったら間違えてタップしちゃいそうでAndroidの使いやすさを損ねる気がしてもったいない。って考えるとAndroidアプリのメニューは真ん中にほしくなるよねーと思ったところで、真ん中のメニューってどんなだろう…という思考で悩み中。
たぶん扇形が配置的には使いやすそうなんだけど、まぁアプリによりけりかなぁ…。
ほかにも色々とあると思うので、これからもっとAndroidしっかりさわって、どれが使い心地いいアプリなのか、色々研究していきたいところです。