毎年恒例の武蔵小杉ちかくの日枝神社が行う「どんど焼き」へいってきた。
どんど焼きとは神社に奉納された去年使った縁起物などを盛大におたきあげる行事のことで、この日枝神社では毎年1月2週目の日曜日に多摩川の河原で行われている。
地域によっては「どんどん焼き」とか「とんと焼き」とかいうところもあるらしい。
昼過ぎくらいから関係者の人が集まり、まず火をつける。そして16時からメインイベントとなる福餅の販売が始まる。一般参加はこの時間からとなる。この福餅を食べると今年1年健康でいられるといわれている。
枝に巻き付けられた餅。
特に別になんてことのない餅なのだが、しかしこの餅を焼いて食べるというのがこの行事における最大かつ難易度トップクラスのミッションなのだ。
餅の購入自体は16時〜17時くらいに会場につけば間違いない。あんまりに遅く来すぎると売り切れ、なんてこともあるが最近は数を多めにしているのがよっぽど20時とかでもない限りは餅が追加される。
では一体なにがそんなに難易度を上げているのかといえば「焼く」という行為1つにつきる。
まぁそんな小難しいことは一旦わきにおいておいて、火が餅を焼くのに頃合いの火加減になるまでの間、地元のおっちゃんたちがだしているそばを食べる。うどんかそばか選べて300円という地域イベントならではのお安さで、この麺類も後半になると売り切れることも多い。
この他にもどこからきたのか食べ物の出店が出ているが、まぁ特筆するものはないのでおなかがすいたら買えばいいくらい。
そばを食べてあったまったところでゆるゆると火のそばに。
火が燃え上がりすぎていると餅があっという間にこげてしまうので、ある程度火が落ち着いたところを見計らって係のおっちゃんがGOサインをだしてくれる。その瞬間をいまかいまかと火まわりに一様にたたずむ。
いいですよー、とどこからともなく声が聞こえると一斉に餅のついた枝を火に向かって差し出す。この瞬間はなかなかおもしろい。
まぁOKをだされてすぐは混んでいて火のそばに近づけないので、時間に余裕のある人はもうしばらく待つ方がいい。火自体は21時くらいまでなんだかんだとついているのだが、ちびっこたちを連れた親御さんはやはり明るい時間帯で撤収する人がおおいので、おとなは場所をゆずってあげよう。
もしかするとこの人混みのせいで難易度が高いなんていうの?とおもうかもしれないが、そうではない。難しいのはただ純粋に「焼く」ことだ。
家で餅を食べるとき、直火に枝にたらして焼いたりはしないだろう。
直火で餅を焼こうとするとどうなるかといえば、こうなる。
- こげないように火からほどほどに離すと焼けない
- 焼けるようにほどほどに火に近づけると手も顔もものすごい熱い
- 枝を置いて離れたくとも人が多くて地面にはさせず、下は地面なので餅を置けない
- がんばって焼いてると色々疲れる
これは体験してみないことにはなかなかに伝わらないかもしれないが、なんてったってものすごく熱いしつらい。餅より先に自分の顔が焼けるんでないかとおもうくらい熱いし、餅はぜんぜん焼けないし。あまりのつらさにめげそうになる。なかには適当に火にあてて縁起を担いでから、家にもって帰って焼いて食べている人なんかもいた。
なるほど、それはたしかにかしこい選択ではあるがしかしそれでいいのだろうか。福餅はこのおたきあげの火で焼きあげて食らうことこそに価値があるんではなかろうか。
※お餅はむりせずに食べましょう。
と、以前は無防備にでかけ火の前にめげながらへとへとになって餅を焼き上げこれじゃあ食べる前に不健康になるとおもったものだった。だが今年はちがう。前回の反省を活かし、完璧などんど焼き装備で自分はきたのだ。ぬかりはない。
- マフラー
- マスク
- 手袋
- 帽子
- アルミホイル
- おてふき
マフラー、マスク、手袋、帽子は熱さ対策だ。自分はメガネをかけているのでそれもプラスαで熱さをふせぐ効果がある。さらに火にあたってたあと、火から離れると相当にさむくなるので防寒グッズとしてもお役立ちである。
そして忘れてはいけないのがアルミホイルだ。このアルミホイルで餅をぐるぐるにまくことにより、火がくすぶったようなところにそっと餅をおくだけでじんわりとおいしい餅が食べられるのだ!食べ終わったときようにおてふきも持参したい。
また、けっこう灰や煙で服に匂いやこげつきがついてしまう可能性もあるので、あんまりいい服はきていかないほうがいい。
そんな完璧な装備で、いま、自分は、餅を、焼く…!
焼く
焼く
焼く...
焼けたー!!!
引き上げ時期をちょっとぱかし見誤って若干こげてしまったが、まぁいいとしよう。
来年の反省にいかせばいいさ。うまいうまい。