6月23日にmixiさんの会場にて 第30回WebSig会議「Webディレクターの過去・現在・未来〜これから求められるスキルセット・マインドセット」 が開催されました。
そこで何故だかご縁あって自分もゲストパネリストとしてお話させていただきました。
当日はスピーカーの方々のお話もさることながら、Twitter上でかなーりあつーい議論が繰り広げられて、個人的にはとても勉強になりました。
さらにイベント終了後も打ち上げの席で色々とアドバイスをいただいて、なるほどなーと思ったこととか、それは違うのではと感じたことがあったので、同じく駆け出しのWebディレクターの皆さんに共有できればなーということと、自分的メモ用に書いておきます。
マインドセットとスキルセットってなんだ
そもそも実はこの言葉自体がポカーンなのですが。
噛み砕くとマインドセットは「どういうふうな志をもつか」で、スキルセットは「どういうことができるか」ってことっぽいです。たぶん。
これとても個人的な偏見なのですが、カタカナ言葉使いまくる人って逆に頭わるいんじゃないかと思っているので、頭のいい人はもっとみんなにわかる言葉使えばいいと思います。その方が余裕にじみ出ててかっこいいです。
で、話を戻すと「どういうふうな志をもつか」と「どういうことができるか」を、これからのWebディレクターが知っていればいいのかというのが全体の議題なわけでした。
そしてそこがTwitterでの熱い議論の発端にもなったかと思うのですが、「Webディレクター」という立ち位置も含め言葉の定義が曖昧でした。
なので、スピーカーの方によってお話されるポイントがちょっとずつ異なっていたんですね。
熱い議論についてはTogetterなどでまとめられてるので、そちらを見てみてください。
ただこれについてはあえて定義を曖昧にして、参加される方に議論してほしいという運営側の思いもあってのことなので、それはちょっとさておき。
Webディレクターはどんなマインドとスキルもってればいいねんって話ですよね。
具体的な「これあるといいよ」については、ロフトワークの西本さん始めスピーカーの方や参加者の方々が書かれている資料や記事を参考にしてみてください。そして、ちょっと「自分にこれがあてはまるかな?」って考えてみるといいと思います。
これ、当日色々と話を聞いていた中で自分もわかったのですが「Webディレクター」といっても受託制作と自社制作とで大きく立ち位置に違いがあるなと感じました。
受託制作と自社制作のWebディレクターの違い
例えばスピーカーとしてお話していただいた、コトバンク等を始めとした自社制作のサービスを作られているVOYAGE GROUPの内山さんが「Webディレクターの先はWebプロデューサーを目指すことをオススメしたい」とお話されていました。
このご意見には自分的にはとても納得です。何故なら自分は自社制作側だからです。
会社によって誤差はあるかと思いますが、大体の場合自社制作の場合の立ち位置ってざっくりこんな感じが多いように思います。
- プロデューサー:企画、マーケティング方法を考える
- ディレクター:企画のWeb的な調整、指示、スケジューリングを行う
- デザイナー&コーダー:ディレクターからきた指示で静的ページ作成
- エンジニア(PM):ディレクターからきた仕様書を元にシステム作成
- 営業:広告、タイアップなど主に外部との金銭的なやり取り
会社によってはプロデューサーとディレクター兼任したり、プロデューサーと営業同じだったり、ディレクターとデザイナーわけてなかったりとかとか。
あと会社によって「クリエイティブディレクター」って、ちょっとかっこつけて言ってみたりもするので、まぁなんとなくそんな感じの役割なのよってことだけ分かればいいんでないかと。
これが受託制作だとどうなるのかなーというと(自分もちょっとしか受託制作の会社にいたことがないのでうろ覚えで適当ですが)こんな感じだったかな、と。訂正歓迎。
- クライアント:制作会社に対して要望を伝える
- ディレクター:クライアントに対して提案、調整、社内管理
- デザイナー&コーダー:ディレクターからきた指示で静的ページ作成
- エンジニア(PM):ディレクターからきた仕様書を元にシステム作成
- 営業(プロデューサー):新規クライアントの獲得、マーケティング調査
要するに何がアレかというと、社内にクライアント的立ち位置の人がいるかいないかが大きくポイントになるんではないかと。
自社制作でいうと、ディレクター(企画を進行させる人)からプロデューサー(企画を立てる人)になることを目指すといいよ、というのは納得できるのですが、これ受託制作で考えると「いやいやそもそもルートが全然違うし」って話ですよね。
別にどっちがいいとかわるいとかでなくて、そういう差があるんだよってことを認識しておくのが重要なのではないかと思います。
そういうとこを認識することによって、自分にとっての向き不向き、NHN Japanの谷口さんがいうとこの「SかMか」がわかるのかな、と。
Web制作者同士のイベントだけじゃだめ?
Twitterから始まり、懇親会に続き、更に打ち上げの場でも語られた内容ですが、いはく「Web制作者同士で集まるだけではなくクライアントと交流する場をもて」とアドバイスいただきました。
これについては「たしかにな」と納得できるのですが、ひとつ意見を言わせていただくと自社制作側としては「ユーザーと交流する場をもて」ではないかなと。
自分は明確な意志で、受注制作側ではなく、自社制作側の道をいま選んでいます。
何故かというと、Webを利用したいクライアントではなくて、Webを実際に使うユーザーに向けて、Webを作りたかったからです。
まぁフリーで依頼を受けたりすると受注制作になるんですが、基本的な自分の方向性としては「ユーザーに向けたWeb」を作りたいと思っています。
なので、すんごい人見知りでコミュニケーション苦手ですが、それでも積極的に色んなイベントにいくのは、どういう人が世の中にいるか知るためです。知らないと、その人のためのWebを考える機会を失ってしまうので、できるだけ色んな考えの人に会うことが自分タスクになっています。
なので「クライアントと交流する場をもて」ということを「ユーザーと交流する場をもて」に置き換えていいのであれば、いま現在努力中です。
あくまで自分の場合は「"こんなことがしたい"と言ってきたクライアントに対してWebも含め色んな最前の方法を提案する」ことではなくて、「数ある選択肢の中から"Web"というツールを選択したユーザーを如何に満足させるか」という関わり方のがが好きってだけです。
そしてもちろんWeb制作者同士が情報共有しあう場があるというのは、とても大事なことだと思うので、今後ももっとそういう場を増やしつつも、積極的にクライアントやユーザーと関わり持つ努力はしないとな、と感じました。コミュニケーションってのんびりぼーっとしてるとできないんですよね。人見知りにはなかなかしんどい。
尊敬できるWebディレクター
サービシンクの名村さんが「尊敬できる人をつくるといい」と言っていたのが印象的で、その後のパネルディスカッションのときに質問させてもらったりもしたのですが「尊敬できる人」って難しくないですか?
いえ、自分にも人間的に尊敬できる方は何人かいらっしゃるんですが”Webディレクター”としてって考えると、ちょっと難しい。
なんでかというと、一緒に仕事しない限りわからないからです。
自分の場合はデザイナーとして他のディレクターの方と関わる機会多いですが、やっぱりディレクターと一重に言ってもやり方も立ち位置もまちまちで、デザイナー的にもうちょっとこうしてほしいなぁとか思うとこもあったりするので、なかなか職業的な意味での尊敬する人をと考えると難しいと思います。
ただ今までに1人、この人すごいなぁと思ったディレクターさんがいました。
その人はもともと全然Web分野ではない業種の人だったんですけど、ある日いきなりとあるサイトのディレクターの立ち位置に任命されて、そのサイトのデザイナーだった10以上年下の自分に対して「Webのこと知らないことたくさんあるから、どんどん教えてほしいし、意見があったら言ってほしい。俺もがんばる」と言ってくれました。その後その人は本当にどんどんと勉強されて、上にも下にもみんなに頼られるディレクターになられていました。
と、考えると自分的にその人が尊敬できるWebディレクターなのかなと今ふと気づきました。
その人をすごいなぁと思ったところは
- 自分の得手、不得手な部分をきちんと認識している
- チームの人に仕事を的確にふれる
- スケジュール、人含めて全体を調整する力がある
- でも自分の好きなコンテンツには明らかに力の入れ加減がちがう(女の子の写真とか
でした。
これが自分にとっての、Webディレクターに必要なスキルセットと言っていえなくもないのかもしれません。
叱られる≠disられる
今みんなわりと普通に使ってる「disられる」って言葉があるじゃないですか。
この言葉とても便利で使い勝手よくて、色んなところで使えるのですが「叱ってもらえてること」を「disられてる」でくくっちゃうのって正直もったいないよ!ということを同世代とか年下の人は知っといた方がいいと思うんですね。
いやだってもう社会人になってきちんと叱ってくれる人なんて稀ですよ稀。
なのにね「あーなんか俺ちょーdisられてるww人気者wwdisってるやつらなんてしらねww」みたいな感じでスルーしないようにした方がいいよ、本当に。
たしかにただただ批判したい人も中には混じってたりするときもあるけど、そうである人とない人を見極めるられるようにしないとどんどん取りこぼして、その先、勘違いしたかっこわるい人になりかねないし、そういうの言ってくれてる人って別に叱ってる人を嫌いだから言ってるんでなくて、過去にそういう経験があってこその助言というかアドバイスなんだっていうのを頭のどっかに置いておいた方が余裕ある人になっていけるように思ったりもしてるわけです。まぁ自分自身どうなんだと聞かれると困るんですけど、言うだけいっておきます。
今後もWebSig含め、色々なところで色々な人の意見を聞ける機会があると思うので、そういう機会を大事にしていきたいです。
ただチャットコミュニケーションが主流の現代っ子な口下手なので、オフラインで会っているときはあくやんは比較的おとなしいですが、お話していただけると嬉しいです。