フリーの流浪デザイナーを始めてからというものひとつのところに落ち着いて席に座ってデザインすることが減り、引っ越しの機会に古いディスプレイを捨ててしまってから自室にディスプレイがなかったのだが、まぁそろそろ新しいディスプレイ買おうかと思い始めた矢先。
BenQ社から発売されたPD2700Qをお借りして使い心地を試させていただけたので、1ヶ月ほどかけ使ってみた感想などまとめていきたい。
製品の概要
BenQ PD2700Qは2017年3月に発売されたデザイナーディスプレイだ。27型で2560 x 1440の高解像度となっており、一気にパソコンに広がりを感じた。入力端子はUSBポート3つ、miniDisplayポート、Displayポート、HDMIが1つずつ。
ディスプレイの各設定は、本体裏面右下にある4つのボタンを操作する形になる。裏面にあると一見操作しづらそうにみえるが、前面に白いマークがついており、画面端を包むように手をやるだけで感覚的な操作が可能になっている。
画面の高さの可動域は、設置面すれすれからMac Book PRO 13inchの画面の上にちょうど見えるくらいの高さまであげられることができる。手前にノートパソコンを置いて、その真裏にディスプレイを置いて使いたい自分としてはここまで高さをとれるディスプレイはありがたい。
1番のポイントは左右の画面の使い分け
デザイナーディスプレイとうたうだけあり色表現の幅が広いのが特徴で、10ビットの色深度に加えてRec.709と標準RGBの色空間(sRGB)を切り替えて使うことができる。この他に、暗室モード、CAD/CAMモード、デザイン(アニメーション)モード、ブルーライト軽減モードといった作業環境をより快適にするモード切り替え機能がある。
実際にそれぞれのモードを設定してみた雰囲気はこんなかんじだ。
そしてこのディスプレイで1番のポイントは、画面の左右でそれぞれ別のモードに設定できるDualView(デュアルビュー)機能だ。
メニューから「デュアルビュー」をオンにすると、現在選んでいるモードが右側に新しくデュアルビューで指定したモードが表示される。
こうして画面を2つに分けてそれぞれ使えることで、これまでとは違った作業進行が可能になってくる。
幅広いデザイン業務に対応しやすい
個人的にこのPD2700Qを使ってみていいなと感じたのは「確認するめんどくささが減る」ことだ。
具体的にあげるとこの2点。
- ディスプレイの種類やユーザーの状況によるデザインの見え方の違いを1台で確認できる
- 使用するソフト、制作するものによって適した画面を並行して作業できる
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1番目は、もうそのままその通りで通常複数の画面で確認しなければならないものが、色味の設定を変えることにより1台で確認できることで所持するモノを減らせるし場所もとらない。またベースにしたい色味とあわせて比較しやすいことで大幅に時間短縮することもできる。
例えば自分の場合、電子書籍を先行して制作し発売、その後出版物にするようなフローがあるが基本その場合、出版するところにもよるがだいたい画像データは電子版も印刷版もどちらも同じ画像データを使用することになる。そのため、制作しながら同時に2つの色の見え方を確認できるのはとてもありがたい。
2番目は、同時進行で違う制作物を進める際それぞれに適した画面設定で作業できるというのが、なんともストレスレスであるということ。1つの制作物に集中して進められればそれに越したことはないが、だいたいの場合に複数の作業が並行して走ることになり、急ぎのものがいくつか重なるとPhotoshop、Illustrator、Sketch、AfterEffectとなんやらごちゃごちゃとソフトを同時に起動することになる。そしてそれらはもちろんそれぞれアウトプット先がWebもあればDTPもあるしといった状態なので、確認しておきたい状況が異なる。その際に左右で設定を変えておけるのは、なんともありがたい。なんだったら次のモデルでは四分割できるようにしていただいてもいいんじゃないかとおもうくらいだ。
仕事の内容によってはCMSに重きをおいたディスプレイの方があっている場合もあるが、色々な分野の制作業務に対応するのであればPD2700Qは仕事の相棒として使えるやつなんじゃないだろうか。
BenQ アンバサダープログラム
今回、BenQが運営しているBenQアンバサダープログラムに参加してPD2700Qをレビューのために1ヶ月ほどお借りした。
ディスプレイ以外にも、BenQが扱うプロジェクターやデスクライトなどをモニターとして借りることができるため、製品の使い心地を試してみたいという人は登録してみよう。