どうやら最上級の鍋が食べられるらしいと総武線・平井駅にやってきた。駅から5分もたたないほどに信号の向こうにみえてきたのが今回のお目当ての豊田屋だ。
このお店、土曜日は開店する1時間半前から列が出来て2〜3時間待ちは当たり前。平日も基本満席がつづき、予約はほぼ顔なじみの人ばかりということで、なかなかに簡単には来られないお店なのだが、その人気っぷりからも察せるように出てくる鍋がはんぱないキワモノなのだ。
予約をとってくれた顔なじみの人がおすすめの料理をどんどんと注文してくれる。
まずはあさつきのおひたし。
お次はニラ玉。
そしてレバ炒め。
続いてハムステーキと、うなきも。
このサイドメニューもむちゃくちゃおいしいのだが、やはりなんといっても本日のメインは鍋。
期待が高まるなか最初に注文したのは…
あん肝、あんこうの身、そして白子がてんこもりになった鍋!こんなのミタコトナイヨ…
てんこもりすぎてもはや鍋として成立するのかもあやしい風体だが、これがおいしいだろうことは容易に察せる。
アナログなコンロにマスターが火をかけふつふつと煮えていくさまを一同見守る。鍋はマスターが管理してくれるので、一切手をつけずひたすら見守る。
頃合いになるとマスターによる具のひっくり返し作業がはじまる。下にしきつめられていたハクサイがいいかんじに煮詰められたところで上の豪華な具をだしのなかに。
そこからまた少しばかりまつと「食べていいよ」と声がかかる。
レンゲですくうとだしにとけだしたあん肝、ほどよく煮えた白子、あんこうがボロボロでてくる。ハクサイもたっぷりとる。うまい。やばい、うまい。
あん肝がだしにとけだして濃厚でたまらん。白子もほわほわと口の中でなくなる。あんこうの身もやわらかい。もうこのスープにご飯いれてしめたい。いや、いやまだだ。まだここでは終われない…
最後の一滴まで鍋からお椀にうつしたところで次の鍋「ネギマ」の登場である。
ネギマというとどうもやきとりのネギマを思いがちだが東京でいうところのネギマとはネギとマグロのことらしい。
へぇ、そうなんですねぇなんて感心していたところに出てきた驚愕のネギマ鍋。ま、まぐろおおい……。
今日のマグロはあぶらのってて絶対うまいよなんてマスターのお墨付きまでいただいた。このネギマはマグロのいいやつの仕入れができないと出してもらえないので月に1、2回あるくらいとのこと。
やわらかいマグロのほほ肉を切り落として並んだ鍋の美しさをご覧ください。もう生のまま食べたくなりますね。
先ほどと同じく火にかけてマスターのひっくり返し作業までまって、そして食べる。うーーーまいーーーーー!
最初の鍋とはまたちがい、しょうゆだしのさっぱりとした味とマグロがベストマッチ。ネギもとろとろに煮えて一緒に食べればまた違ったおいしさに。ネギマ最高。
しかしまだまだ最上級の鍋は続いていきます。冬の鍋といったら欠かせないのが豚肉鍋。ビタミンBが豊富で風邪の予防にもバッチリ。これもまた山盛りで登場。もちろんこれもおいしい。お肉とおだしがまたよくあうんだなぁ。
生たまご注文してすきやき風に食べてみたり。
鍋の合間にお店一押しの浅草無双という日本酒を。これもまたうまい。
さらに合間に穴子の天ぷら。ほくほく。
マスターがあんこうも見せてくれた。大きい…。
続いて注文されたのは、タラと牡蠣と白子のちり鍋。ちり鍋?もしかして辛いやつ?と思いきや、出てきたのは白い鍋。
ちり鍋というのは白身魚や野菜、豆腐を水煮した鍋のことをいうらしい。ほほう、勉強になります。
煮詰まってくごとに真っ白になる鍋の様子を見ているとこれはたしかに冬の季語にもなるだろうなぁと感じざるをえない。
真っ白な鍋から具を探し出してそうっとすくうと真っ白な具がでてくる。感動すら覚える。今度はネギとしょうがをいれたポン酢につけてもぐもぐ。
ちり鍋や、あぁおいしい、ちり鍋や。
そして最後のオオトリは鴨鍋!ご覧くださいこのぷりっぷりな鴨肉。鴨肉のゲシュタルト崩壊するくらいの山盛りっぷり。
しかもこちらの鴨肉100%国産ということで、火を通してもまったく固くならないんだよとお店の息子さんに教えてもらう。ほほう。それは楽しみですな。
はたまた煮えるのをまって、たまごと一緒に。火が通ってもぷりぷり感めっちゃ伝わってくる〜やわらかい〜。
最後にしめにきしめんをいれて…生たまごをたらりとたらせば…絶品鴨鍋うどんの完成。
これがおいしくないわけない。本当においしい。うどんおいしい。
こんなに飲み食いしてお1人様6000円。この満足感言い表しようがない。
これは並んででもまたきたくなるのはうなずける話。並びにいくしかない。
鍋は初夏前までの提供で、あん肝や白子はもう3月くらいで終わってしまうそうなのですが、鴨鍋、豚鍋、運がよければマグロはまだ5月くらいまでやっているそうです。
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