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原作の理解度が深まったライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」〜暁の調べ・再演〜 #ナルステ

TDCホール最終日のマチネを見終えたところでこれを書いてい、た、んだけども書ききれずソワレの時間になったので今は夜だ。
東京公演から今回見始めたが、本当に前回の「暁の調べ」より各段に全てのクオリティが上がってる。間違いない。Twitterで堪えられずにボロボロと吐き出しているが、まとめて今のところの感想を記しておきたい。


書き始めたらえらい長くなってしまった。
また、いわずもがなこれにはネタバレしか含まれていないので、注意して読んでもらいたい。


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映像の演出について

初演の「暁の調べ」と大きく分かりやすく変わったのは舞台背面に大型のモニターが導入されたことだろう。これまでのナルステはいわゆるプロジェクトマッピングのみの映像での演出であったのでモニターが入ったのは初めてのはず。
近年、アーティストのライブなどでも大型の画質がよいモニターが導入され始めているので、恐らくレンタルか何かでコスト的にも扱いやすくなったのではないかな、と勝手に思ってる。


そんな裏事情の推測はさておき、このモニターがすさまじくナルステの演出にあっていて、各見せ場を最高に盛り上げている。そう感じた要因は、ただモニターに映像を映し出していることだけでなくプロジェクターや小道具とかと組み合わせた見せ方にある。


再演でプロジェクターのスペックが変わりルーメンも上がったのか、プロジェクションマッピングされる映像がむちゃくちゃ見やすい。初演のときはカブトがサソリと落ち合うシーンが橋だとわかるまでしばらくかかった(純粋に自分の視力が悪いというのもある)。
ただ今回はその橋の細部に至るまでくっきりはっきり見えるので、スペック上げてくれてありがとうでしかない。
3台ものプロジェクターを使って舞台の端から端までくっきりと映像が浮かぶ様は自分もその世界に入り込んでしまったかのような錯覚をするほどの迫力だ。




そんな背面のモニターと前面のプロジェクターとで生み出された演出は奥行きだ。
例えばナルト、カカシ、サクラが我愛羅の救出に向かっているところ、以前は3人の手前にあるスクリーンにプロジェクターで映し出していたので奥行きはもちろんないし、3人の顔に森の映像がかぶって3人が見づらかった。それが今回はモニターに森を、手前のスクリーンに3人が飛び越える木の枝が映し出されるので奥行きも生まれたし森を進んでいるのがわかりやすい。またナルトがイタチの幻覚に入って話すところでも後ろに森、手前に影分身したナルトやイタチの幻覚の鳥が出てきてシーンがわかりやすい。俳優さんたちの顔が見やすくなったのは本当にありがたいし、演出的にもわかりやすくなって素晴らしいことこのうえない。




モニターがすごいと感じたのはそれだけではない。
ナルトと大蛇丸が一幕目の終わりに結構な戦いをするわけだが、初演は本当に映像も俳優さんたちも見づらくて「戦いのすごさ」が正直わかりづらかった。
だが今回はまごうことなくすごい。カブトが「化け物同士の戦いだ」と言ってしまうのもうなずけるし、サイやサクラがびびるのもわかる。
モニターに映し出される忍術の数々とそれとあわせて色がどんどん展開してくライティング、アンサンブルの方が見せる布を使ったパフォーマンスとナルトや大蛇丸の動き……それらが組み合わさったあのバトルシーンは言いようがないくらい迫力と見応えにあふれている。マジであそこだけ何度も見たい。うそ、全部何度も見たい。
とはいえそのシーンが個人的に今回ものすごく満足度高くあちらもこちらも目で追いかけたくて目が足らない。あと、あの大蛇丸の蛇の表面の模様を模した布と蛇の目を模したボールっぽいの、めっちゃかっけぇ。




あとモニターがあることで一瞬しか出番のないマンダが、シュッと目の光が消えてしまうのもわかりやすくなってて、マンダお疲れ様……というのがわかってよかった……




映像といえば、舞台の頭に漫画のコマでこれまでのあらすじを流すのも話に入りやすくてよかったなぁ。原作初期のナルトもサスケもかわいい。





歌や踊りや演奏について


初演のとき、ナルステにミュージカル要素がそれ以前にはなかったので「なぜ歌い始めたし」というツッコミが見始めた頃かなり自分のなかであったが、回数を重ねて見れば見るほどに「複雑な背景や単調になりがちな説明を楽しくわかりやすく伝えてくれてるんだな」ということに気づいた。




基本は初演のときと歌は大きく変更ないが、一部新キャスト追加による変更やよりストーリーの流れにあった変更があって、説得力が増しているように感じた。




最初の暁の歌。初演では出だしの「まずは一尾の人柱力〜♪」と暁の目的を説明するところはイタチが歌っていたが、再演からは新キャストのペインになった。ペインが歌うのはすごく納得だ。
もともとイタチは原作の中でも言葉少なで余計に「狙いが何か」わからないキャラで、サスケと読者は一緒に「おまえの目的はなんなんだ?」と追いかけていた節がある。ただ初演はイタチ以外に主に暁のメイン部分を歌えるキャラがいなかったこともあり、イタチが暁の中心的な役割に見えていた。
しかしペインの登場によりイタチの歌うシーンが減ったものの、よりイタチの意思のみ歌うようになったので暁とは別にイタチの狙いがあるんだなというのがわかりやすくなった。




ヤマトが任務の目的を説明する歌、初演では全員立っていたのが再演からナルト、サクラ、サイがヤマトの周りに控えるような動作が入り、ヤマトの隊長としての存在感や小隊としてのまとまり感を感じた。そこから何と言っても前回物足りなかった棒術の見応えがいい!本当に前回、せっかくのヤマトの唯一といっていいくらいのアクションシーンかつ長物を使ったアクションなのにすぐ終わっちゃってめちゃくちゃ勿体無いなと感じていたのが、今回しっかりとアクションを見せてくれる。
このアクションシーンが強化されたことで棒術の見応えはもちろんのこと、ヤマトの木遁忍術、サイの超神偽画、ナルトとサイの連携できてなさが際立ち、その後の展開のいいフラグになっていた。




一幕終わりの「目的は〜♪」と歌うシーン。
ナルトが冒頭に歌で加わったことで、ナルトとサスケのすれ違いをより感じられるようになったし、それぞれが目的をいっているときにナルトが想いを吐き出している様子は、最後にナルトの叫びに繋がって悲痛感が増して伝わってくる。またこの歌、それぞれが「目的を〜」と歌うシーンで個々の振りが入ったことで、それぞれが異なる目的を強く持っていることがより伝わってきた。おかげで一幕の締めの盛り上がりがすごくなり休憩時間が全然休憩できない(思う丈をTwitterで吐き出すのに忙しいの意)。
この冒頭のナルトの歌、ナルステの前に開催されたNARUTO20周年記念のナルボルライブで歌われてからずっとどんな風に差し込まれるのか気になっていた。結果、めちゃめちゃいいとこに差し込まれてる〜!と感動した。




しかしこの「目的は〜♪」の歌、一幕で2回あるがそのどちらでも「サスケめっちゃ振り回されてるなぁ」と実感した。再演の振り付けが、イタチも大蛇丸もサスケを中心とした振りになっているのでサスケの複雑な関係性がよくわかる。




また今回も太鼓と二胡がめちゃくちゃいい仕事をしてる。軽快なテンポのシーンに音楽以上のリズムや躍動感が伝わってくるし、辛いシーンのときに空気が震えてその震えが会場全体が苦しんでいるかのように包み込まれるし、生演奏がよすぎていうことが何もない。いやある、最高です。


舞台の作りも前回よりも俳優のみなさんが動きやすそうに見える。
アクションのとき見ててハラハラする、みたいなところがない。安全性は上がっているのに階段の作りや、坂になっているとこ、のぼりやすい段差など、休憩時間中に舞台の作りをじっと見ているだけでもナルステの素晴らしさに手をあわせずにはいられない。






この先もまだ文章長いので、一旦動画などを挟んで休みましょう。


各キャラクターについて

アンサンブルメンバー

再演は全体的にアクションシーンすっごいなぁと思うことが多いんだけど、それは要するにアンサンブルメンバーの方々の見せ方がうまいってことなんだよね。
メインとなるキャラの動きにあわせて華麗に身を動かし、大きなアクションを取り入れつつ見応えを作り出していってくれてるアンサンブルの皆さん。顔がわからないので誰かまではわからないけど、あのアクションめっちゃかっけぇ!と思うことは多々ある。


イタチとサスケが戦うところで、イタチの分身がいい動きしてて分身の意味が際立っていいなぁとおもうし、サクラの登場シーンで怪力を示すためにくるっと回転するの見ててきもちいいし、大蛇丸の蛇や術を模して動いてるのかっこいいんだよなぁ。


キバ、ヒナタ、シノ、シズネ、小南、イタチの分身、サスケの分身の演技や動きがあるからこそ、ストーリーもそれぞれのキャラも説得力があって、ナルステの舞台にいる人たちは本当にみんなすごいなって何度もなんども思う。


ヤマト

初演のときは掴みどころのない歌の上手いヤマトだなぁという感想だった。
ヤマト自体が掴みどころのないキャラなのでそれはそれでよかったのだが、再演でもヤマトらしさはそのままにでもどこか絶対的な「優しさ」を感じるようになった。
カカシの代わりに隊長として班を率いることになり、ナルトとサイの諍いを諫めるときも、九尾の力に頼らずにおまえの力でいけるとナルトにアドバイスする時も、どんなときも優しさを感じる。
そんなヤマトに正面からきちんと「おまえならできる」と言われたからナルトも九尾の力を振り切る自信がついたんだろうなと感じざるをえない。





サイ

初演と再演とで演じてる人が違うことで受ける印象が結構違った。
初演は最初は指示を受けるだけのロボットのようだったサイがだんだんと人間に近づいていくような印象だったが、再演では人慣れしていない不器用さを持つサイが人との繋がりを持つことで馴染んでいくような印象を受けた。
どっちがいいというのは特になく、それぞれの魅力があって面白いなとおもう。
二幕の冒頭でナルトとサクラに必死で話しかけようとするところは、彼の不器用さが前面に出ていて好感が持てて笑ってしまう。





カカシ

個人的に大好きなキャラなのだが、どうしても話の流れ上、暁の調べは出番が少ない。その少ない出番でカカシ先生の魅力がTDCホールの3日間の間だけでもさらにグッと引き出されたように感じた。
TDC初日らへんはあんまり前回と変化がないかな?と思っていたが、TDC最終日はすべてのカカシ先生の登場シーンに引き込まれた。笑い方や動き、ちょっとした動作や台詞の言い回しが「あ〜こういうカカシ先生が大好きだ〜〜〜!!!」と思わず叫びたくなるようなきもちになった。これからの銀河劇場の公演もめちゃくちゃ楽しみだ。
まだアクションは動きがちょっと固いなぁとおもうが、以前に怪我されているのでそこは無理ない範囲で、本当に無理ない範囲で......身体第一で。


あとイチャパラが影分身したところは最初見た時、ここが海外であれば「ファンタスティック!」と叫んで拍手を送りたいくらいにびっくりした。思わず「おおっ」と声がでた。





綱手

美しさと強さを兼ね備えていて出るたびにうっとりしてしまう。
美しさだけではなく強さも滲ませるし、でも強さに裏打ちされた美しい笑顔もあるし、サクラちゃんは本当にぴったりの師匠についたなぁと感じずにはいられない。そしてそれを納得せずにはいられない存在感や立ち居振る舞いがすごい。
この綱手様と大蛇丸様と自来也がスリーマンセルってやばいな......とも思うし、確かに自来也が綱手に釣られちゃうのもわかる。





大蛇丸

本当にナルステ初期の頃から心の底から「大蛇丸様」と呼ばせていただきたい存在感は相変わらずなんですが。
今回はこれまで以上に不気味さやすさまじさが加わって大蛇丸様に魅せられてついていく手下の気持ちを理解した。
これまで問答無用に「すごい迫力だ!」という印象だったのが、それだけではなくて底知れぬ得体のなさを感じる歌の表現がまたすごいんだなぁ......「ここは私の中の世界〜♪」ってとこめっちゃこわってなったもんな......。





カブト

実はカブト、ナルステで結構好きなんですよ。あんまり言ってないんだけど。
今回はでも特にめっちゃいい〜!ってなったとこがある。ナルト達がアジトに潜入し、カブトがやってきて「もう君たちが知ってるサスケくんはもういないんだよ」という台詞の表現。すっごいカブトの性格歪んでる感じな要素出てていい............。
カブトって実は愉快犯じゃないっすか。原作ね。あの人、大蛇丸様とか言ってるけど自分の目的のために大蛇丸に付き従ってるだけで実際は頭のいい性格歪んでる人なのでただの真面目くんじゃないわけですよ。
それが今回「ないんだよ?」ってちょっと語りかけ諭し口調でいうの、すごく面白がってる感じあるし、その流れで退場時に「本当のサスケくんをまだ知らない」ってとこも面白がってる感じあってすっごくいい〜〜!!!



チーム蛇

別々に書きたいところだけど、やっぱりチームが好きなのでまとめて書く。
香燐は初演もとってもかわいかったけれど、今回さらにうざかわいさが上がってそれが最高of最高。サスケと二人きりになっていきなりデレるシーンも細かい振り付けがぶりっこぶりっこ度増しててかわいいし、サスケの捨てた服を抱きしめたりサスケに見立てて正座してサスケの寝込みを襲うのをワクワクしてるところも振りも表情も声色もうざくてかわいいすぎる(褒めてます)。それをなんとも言えない顔で見るサスケの対比がいいよね。
サスケに対する態度とは別に、水月とやいのやいのやってるのがまたかわいいんだなぁ。水月はちょこまか動作がお茶目だし、調子いいかんじが出てるし、とっても応援したくなる。そんな水月が、サスケに対して香燐が「だらしない」っていった後ニヤニヤして見てるの水月のキャラクターみあっていいし、それで香燐がしどろもどろしてツンな対応になるのもいい。
あとそんなわちゃわちゃしてる2人の横で重吾が穏やかな顔してるのも好き。サスケがなんやかんやで計3回ほど自分のマントを脱ぎ捨ててポイするシーンがあるわけですが、全部重吾が拾ってくてるの。君麻呂の代わりにサスケのことを大事にしよう感あっていいんだよなぁ......香燐がサスケの服持ってるの尋ねるのも純粋にサスケの心配してる感あってよい。
そんな3人が揃ったとき「決まりだな」っていうサスケ。その台詞のニュアンスと表情〜〜〜〜〜。
サスケが蛇メンバーにしか見せない顔というか、独特の気を許してる、というか「俺のテリトリー内」みたいな感じの雰囲気いいよね。自然とサスケにそうさせてるのは、あの3人が作ってる空気感なんだろうなぁ。





すごいどうでもいいことを書きますが原作時点でトビが出てきた瞬間に「これ絶対オビトだ」と確信してたんだよ。
だからもしこの先ナルステのストーリーが進んで忍者大戦まで行くのならオビト出てくると期待してます、本当に。


それはさておき、トビとデイダラのコンビはやっぱりかわいいね。凸凹コンビ感。出番が少ないはずなのに印象に残るし、ついやりとりに笑っちゃう。鬼鮫さんも実際はこわい人なはずなのになんやかんやの優しさ出てるかんじいいよね。ペインはね、キャラとしてそもそも謎感強いから今回出てきてくれて本当にストーリーとしては面白さが大きいけど、謎感は強い。でも戦うとめっちゃ強いからねー。謎の感じと佇まいがあいまって「九尾をやれ」ってマダラの命令にそわそわする。





イタチ

こんなに観劇で連続して泣かされたのは初体験なんですが、全部イタチ兄さんのせい。
いやいや。いやいやいやいや。なんですか、あの歌......。初演ときと全然歌い方ちゃうやん......。


「里のため、平和のため、そして何より、おまえのため〜♪」→(滂沱)


今回歌う箇所が変わりイタチさんが感情を表にあらわにするシーンが減って、それはイタチのキャラ的にマッチしててとってもよいのは前述通り。そしてそれによってかどうかは何かはわからないけど感情を表すイタチの歌のシーンの感情の表現しっぷりが、やばい。危険。「半径10kmが範囲だ!逃げられやしねぇぜ!」ってかんじ。


万華鏡写輪眼の説明を歌うシーンではとんでもない狂気を叩きつけてくるものだから、サスケが「やっと真相にたどり着いた......」って騙されるのも無理はない。あれで騙されない人いない。だってそんだけ迫力がすごいんだもの......このサスケの台詞の納得みが増したの兄さんのせいだからな。


そしてその後にマダラから真相を聞かされてサスケが呆然としているところに再登場する兄さん。兄さん...........!!!!!!!!!!!
この歌が......歌い方が......優しさと愛とかを敷き詰めて詰め合わせてでもそして押し付けがましくなく包み込んでくるから、泣いちゃうんだよもう自然現象で!あくびしたら涙でるでしょ?イタチの歌を聞いたら涙でるのよ。自然現象。
これを一緒に歌ってるサスケもまた、いい表情をするから気持ちがシンクロして兄さん大好きだし兄さんなんで死んじゃったんだよばか.......みたいなきもちになるし、イタチいなくなってつらいしかない......


ナルトがイタチの幻覚にとらわれて話すシーン。1回目と2回目でイタチの台詞の感情の込め方が違うの、ずるいとおもいます先生。そんなの兄さんもっと好きになっちゃうじゃないか!!




今回の再演を見て、原作でちょっと自分の中での咀嚼が曖昧だったところが腑に落ちたところが3つあり、そのうちの1つはこのシーンで、イタチがナルトに力を分け与えたところ。
原作読んだときも初演のときも、サスケのことを想って念のためでナルトに力預けたんだろうなぁくらいの曖昧さだったんだけど、それもあるにせよそれだけじゃないな、と再演見て気づいた。
「サスケのことを兄弟のように思ってると言ったな。そのサスケが里を襲ってきたらどうする」この台詞、イタチの当時の苦悩、「大事な家族を殺したくなんてないけど、里で無関係の人が死ぬのもみたくない」っていうのとシンクロしてナルトに問いかけてたんだろうな。そんな甘いこと言ってらんないぞと。それでもナルトが「選択肢なんかない。自分の言葉は曲げない。それが俺の忍道だ」っていうのを聞いて、もしかしたら自分もそういう道があったのかもしれない、今サスケと家族と一緒に笑ってる道もあったのかもしれないっていう叶わなかった状況を想って、ナルトにそれを叶えてほしくて力を託したんじゃないかなと......。


ナルステを見て原作への理解度が深まるなんて思ってもみなかったので、これも含めて今回のナルステは自分の中で衝撃が大きい。



サクラ

初演の後半からめきめきと演技がすごくなって毎回見るの楽しみだったサクラちゃん。
そんなわけで今回もとっても楽しみにしていたところ、とっても予想以上にかわいく面白く素敵になってた......天使っていうきもちわかるよナルト。




演技がよくなって感情が伝わりやすくなったのはもちろん、台詞がないところでの表情とかもいいんだよね。サクラちゃんって結構みんなの台詞を聞いている立ち回りが多いんだけど、それぞれのシーンでサクラちゃんなりの想いを静かに伝えてるのが、サクラちゃんの強さを感じていいなぁとおもう。
あとアクションとコメディシーンもめっちゃ見せ方うまくなっててすごい!今回のナルステで笑わせ大賞はサクラちゃんに決定。サクラちゃんの怪力を発揮するシーン、どちらももともとコメディ要素ではあるんだけど、初演よりもさらに面白さが伝わってくるのはサクラちゃんの見せ方の影響が大きい。笑顔でニコニコ近づいて殴りかかるの最高にこわい面白いし、最後に舞台の真ん中で吠えるのもやばいし、カカシ先生に心配された時の誤魔化し方も素敵w
そんな笑いの部分もありつつ、ナルトやサスケを心配する想いの表現が、ますますサクラちゃんの魅力に繋がってるなぁと感じる。




二幕の最初にサクラちゃんのかわいさに打ちのめされてるナルトのアドリブが毎回違うのにも驚きだけど、毎回それに納得しちゃうよさを持ってるサクラちゃん、素敵だ。





サスケ

初演と全然違うって点でいうとサスケは外すことができなくて、それがどういうことかというとサスケとして成長してるサスケがそこにいると言えばいいのかなんというか......。
初演のサスケって「イタチを倒す」っていう冷たくも熱い想いが表に出てるかんじだった。だけど、今回のサスケはその憎しみはもちろん大きく胸に秘めながらも、それが1番大きな目的なだけに、そしてそのために他の全てを断ち切ったという言葉通りに、それ以外に対してめっちゃクール。クールというか興味がないというか。




再演を見て原作への理解が深まったその2がサスケの「その防ぎ方、正解だったな」「その防ぎ方、失敗だったな」。この台詞は、サスケがナルト達と久々の再開をはたした時の戦闘時にいってるんだけど、意味わかんなくないですか。もちろん台詞の意味はわかる。サスケの攻撃に対してサイがうまく防いだとか、ヤマト隊長がちょっとしくったというのはわかる。でもそれって言う必要ある?とおもいませんか。話の流れ的になくてもええやんと。
あるとしたらサスケがそう評価できるくらいに強くなってるってことを伝えたいのかなぁ......という認識だったんですが、再演のサスケ見て「あ、ナルト達との戦いどうでもいいんだな......」って気づいた。
サスケが興味あるのはイタチを倒すことだけで、だからイタチを倒すためになることならなんでもよくて、そのために自分の命を差し出すのもなんともおもっていないし、ナルト達との戦いも挑んでくるから戦闘シミュレーション的に戦ってるだけでナルト達じゃなくってもどうでもいいんだ......と。腑に落ちてしまった......。
そんなの悲しすぎるよサスケくん......と募った悲しみが終盤のサスケとイタチの戦いや愛の歌に繋がっていくので、サスケの演技的な戦闘力上がりすぎててこわい......天才肌に追いつけないやつ......。
1個だけ、一幕で倒した人に腰掛けるところ、もう少し腰掛けてもいいのでは......いやそれだと椅子の人つらいのか...?と気になってる。



イタチとの戦い後、マダラに説明を聞いているときって言ってしまえばここまでの大きな目的がなくなった状況で、だからそんなときに「その目的の前提間違ってるよ」なんてのを聞いても「うるせぇ黙れ」というのわかる。ただその言い方が「もう本当にいいから、やめてくれ」って、目的がなくなったこと、イタチがいなくなったことの処理できない感情を抱え込んでいるのが伝わってくるんだなぁ、これがまたね。
そこからイタチとの歌に入って悲しさは募らせてくれちゃうし、サスケの忘れようとしてた記憶で「兄さんは泣いてた」とか泣きながら言われたら、こっちももっと泣くわ......。むりだわ......。
その泣き臥せってたとこから「我々は蛇を脱した!」って続くところ、初演では怒りしか感じなかったんだけど、再演ではイタチを失った悲しみが叫びと表情に混じってるような気がして、より泣くんだよ......うちは兄弟め......。




あとサスケの殺陣もね、再演でキレッキレですよ。本当に修行してたんでしょ?ってくらいキレッキレ。
滑らかであることはもちろんだけど、サスケとしての強さにある鋭さみたいなのが殺陣からビシビシ伝わるんだよね。ナルステ好きになってからナルステキャストの方の他の舞台もたまに見にいくようになったんだけど、その他の舞台での殺陣と比べても全然違うんだもんなぁ。サスケすごいよ。




歌もすっごいうまくなってて。カラオケの採点いれたらこれいまビブラートってマークめっちゃ出るのでは!?と思うことしばしば。聴かせどころは響かせて、強弱がはっきりしていて歌のクオリティ上がってる〜〜。あと声の出し方?もそもそも違うのか、台詞が全体的にすごい聞きやすくなった。元々聞きづらかったわけではないんだけど、より聞き取りやすくなってる。何が違うのかわからないけど、明らかにちがう......。サスケすごいよ。


個人的に大好きな大蛇丸の世界にサスケが取り込まれるシーン。サスケが逆転し始めるところが、前回よりもわかりやすい(布でサスケの顔隠して取り込もうとしてるところを跳ね除けてる感ある)し、こう、布に触って大蛇丸の世界をサスケが操ってる感出てるのも鳥肌立つほどかっこいい......。




ナルト

もうなんて言うのか、サスケが成長したらナルトもするんだなぁってこの神がかったキャストを改めて噛み締めてしまうわけですが。ナルトもすごいナルトとして成長してる......。
ナルトって、自分自身の主張と、カカシ班での自分と、大蛇丸や暁といるときの人柱力の自分と、サスケに対しての自分と4つくらいあって、それらが台詞だけでなくて振り(踊り)で表現されているのが個人的にすっごい好きなわけなんだけど。それらの振りや動作の違いが、より明確になったんだな今回。
九尾を表現する踊りとっても妖狐感があって好きだったんだけど、それがさらに凄みを増してるのもあって、大蛇丸との対戦の見応えの一つになってる。あの動きすごくて、なんか本当に乗り移ったんじゃないかな?って気になる。
登場時や修行するシーンで自分を表現する踊りはハキハキ陽気なんだけど、ビシビシッと決めるとこ決めてておちゃらけたナルトのかわいさとかっこよさが垣間みえてナルト好きだ〜!ってきもちになる。応援したくなるんだよね。




登場時と言えば、「俺が木ノ葉流忍者、うずまきナルトだ!」という台詞。二幕の舞台終盤の方でも歌の前にいうんだけど、それが最初と最後で表現の仕方が違うのが印象的だった。最初の方は「俺がナルトだぞ〜!」ってみんなに主張するかんじなんだけれど、最後の台詞は「曲げない想いを持ってる、それを貫き通す。俺はうずまきナルトだ」って、自分自身に言い聞かせてるような決意を新たにをしているような、そんな風に見えた。サスケやイタチや暁と色んなことがあって、それを体験してきたからこそ、俺の忍道はこれだって言ってるようにも見えた。




そして原作の理解度高まった最後3つ目は、ナルトの「腕がもがれりゃ蹴り殺す、足がもがれりゃ咬み殺す...」と続ける台詞。なんかナルトっぽくないなぁと原作読んで違和感があったんだけど、原作なのでそれがナルトなのかなとスルーしてた。ナルトっぽくないなぁと思ったのは、わかりづらい表現だったから。
でも再演見ておもった。これサイと自分自身に見得切って言った自分の忍道なんだね。ナルトの師匠である自来也に修行でついてる間に散々見得を切った師匠を見てきたんだろうな。「自分の決めたことは曲げない。それが俺の忍道だ」っていうのを、サスケを助けるって決めた、どんなことになっても必ず成し遂げるって、そういうきもちの表現だったんだなぁ、と感じた。初演だと結構勢いよくいっていたので気づかないままだったけど、再演になって最初の一呼吸で笑顔を見せてくれたから「あ、そういうことか」って理解できた。本当に同じ台詞なのに演じ方次第でここまで伝わることが違うんだ......って改めてナルトのすごさに感動した。




サスケが「イタチを倒すこと以外どうでもいい」と思っている表現が極まったのと比較して、ナルトは「サスケを助けるためにはなんだってやる」という表現が極まってきて、このすれ違い感、歌ぴったりじゃん〜〜〜〜〜ナルステすごいなぁって一人頷いている。
ナルトがサイに「おまえ仲間って言葉知ってるか?」「サスケはやっとできた友達だから」「だから助け出すためならなんだってやる、おまえとだって組んでやる」という一連の台詞がサスケにしか向いてなくて、サイのこと信用度ゼロなのにサスケ助けるためならそんなやつとでも組んでやるって感情があふれてることで、すれ違い感が余計に伝わるんだなぁ。歌もうまくなったので、サスケに対して歌うとこもまたいいよね、うん。




あとナルト役の松岡さん、ものすごくMCうまくなったよね?
舞台の終わりの挨拶がめちゃくちゃしっかりしててびっくりしたんだけど、本当にびっくりしたんだけど。え、すごい、MC度成長してるってすごい......って。ナルステ始まった頃、全然カーテコールでしゃべれてなかったのに...!
舞台や映画なんかの芝居は他でも見てたけど、しゃべりはあんまり見てなかったので、すごくびっくりしたし感動してしまった。それだけナルステ始まってから歳月経ってるってことだね。





まとめというか最後にいろいろ

見れば見るほど感想は増えるし、見るたびに違う発見があるし、その回だけの雰囲気のようなものもあるし、見ても見ても飽きないので困ってる。いつかは終わりがきてしまうのに......。


ひとまず銀河劇場と、あと深センには見にいく予定で、この先またどれだけすごいものが見られるのか楽しみだなぁ。
暁パーカーがかっこよくてお気に入り。深センにも着ていきたい。1人旅なのでどこ見るかも決めなければ。


そういえば前回、再演したら松岡さんと佐藤さんのことを下の名前で呼びたいと言ってた良知さん、無事に呼んでらっしゃるようでよかったです(笑


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どうかこのまま怪我なく、大きなトラブルなく、スタッフの皆さん健やかに頑張ってください。
何よりも応援しています。


そして出来れば可能であればお願いだから、ナルステ今後も引き続き、メインキャスト同じまま公演お待ちしてます。







初演の感想記事