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チームビルディングを成すための考え方と立ち回り方。篠山竜青・著「日々、努力」を読んで

プロバスケットボール選手・篠山竜青さんの初の自叙伝「日々、努力」が2022年10月に出版された。昨今バスケ観戦に沼っている中でも特に、篠山選手を応援している自分としては読まないわけにはいかないとすぐ購入した。


本の紹介文には

Bリーグ強豪の川崎ブレイブサンダースで7シーズンにわたってキャプテンを務め、日本代表でもキャプテンを任された国内屈指のポイントカードは、いかにしてリーダーシップを培ってきたのか

とあることから、本書は「リーダーシップ」をテーマとした本なのであろうという気持ちで読み始めた。


しかし、この本を読み自分が改めて気付かされたのは「チームビルディング」の重要さであり、篠山竜青選手がいかにチームビルディング力に優れているかということだった。


「リーダーシップ」と「チームビルディング」の関係性

社会人として働く上で、チームとして動くことを求められることはかなり多くある。

そもそも日本国内で生きていくにおいて、子供の頃から学校などでチームを組んで動くことは多くチーム活動と全く関係なく生きてきたという人はほぼいないのではないだろうか。


ただ、子供の頃と社会人になった時とで大きく変わるのは「望んでそのチームになったのかどうか」という点ではないかと考えた。


例えば小学校・中学校などの授業で、班に分かれて課題をやりましょうというようなシチュエーションはよくあるだろう。団体行動を学ぶうえで大事なことではあるが、ここにおいてのポイントは「自分達の意志でチームになりたくてなったわけではない」ということだ。ここにおいてチームがチームとして動くために必要なのは、そのチームを引っ張るリーダーの存在だ。人によってやる気に差があり、互いのこともそこまでよく知らない間柄の人間が集まった状態では物事はうまく進みにくい。だからこそ、それを取りまとめて引っ張る存在、つまりリーダーシップのある人材が求められる。


自分は下に妹と弟がいるが、変な言い方をすると自分が望んで「きょうだい」というチームを組んだわけではない。しかし、妹ができて以降「きょうだい」というチームで扱われること、チームで動くことを当たり前のように求められる。相当に幼少の頃からその団体行動を求められるのだが、なんとはいっても妹は自分より年下で明らかに物事を自分よりよく知らない状態だ。自分が考え自分が引っ張っていくしかない。つまり良くも悪くも望まずしてリーダーとなりがちなのが長子なのだ。弟は歳がさらに離れていたこともあり、もはやリーダーというか保護者に近いがどちらにしろ自分が引っ張っていかなければならない存在だ。ここについてはあまりに言い過ぎるとただの長子苦労話になってしまいそうなので閑話休題。

なんにせよ「チームとしてのまとまりがない」「まとまりを作りづらい」状態では、圧倒的にリーダーシップのあるリーダーがいてくれた方が、チームワークがスムーズになるのは間違いない。


翻って社会人となり、自ら望み、自らが実行したいと加わった人々が集まった仕事のうえなどでのチームで求められるリーダーは、引っ張ることのみを求められるばかりではない。


社会人として仕事や何かでチームを組む際にはなんらか明確な達成したい目的があることが多い。

売上達成やプロジェクト遂行など、チームによって目的は違えどチームとしてのパフォーマンスが発揮できるかがポイントとなる。


チームとしてパフォーマンスを出すには、属する1人1人が意見をすり合わせ、役割を把握し、目的をどうすれば達成できるかを考え続けられるような状態を目指したい。リーダー1人だけ頑張ってもチームメイトがついてこなければ最高の結果は出せない。つまり目的達成に向けたチームビルディングが鍵となる。


篠山竜青選手のチームビルディング力の高さについて

本書において、彼は自身のことを後天的にリーダーになったと語っているが、それはたしかにそうだと思った。

ただ後天的リーダーになれたというのは、彼自身がチームを作り上げ、チームメンバーに認められる存在となったからこそなれた、つまりチームビルディングに成功してきていることの証明のように感じた。


篠山選手のコミュニケーションスキルとして、空気を読むことがうまい、場を盛り上げることがうまいというのが挙げられるが、つまりそれは人をよく見ているということだ。

前・東芝ブレイブサンダースに始まり、現在のB1リーグ・川崎ブレイブサンダースに至るまで7年もキャプテンを勤めた際にあった葛藤や成功、また日本代表チームのキャプテンとして目指したもの、もっと挑戦できると感じた点などが書かれており、そのどれもがチームをチームにしていくためにしてきた努力の集大成だった。チームビルディングをわかりやすく学ぶにおいて、これほどいい本はないと感じた。


もちろんベースはバスケットボールの話であり、バスケのプレーについて、プロ選手としての立ち居振る舞いについて触れているシーンも多々含まれる。だがそれもまた、どういった努力を繰り返してきたか、その結果得られたことを踏まえてどうチームとして動く際に還元されているのかという視点から読むこともできる。

前段で述べたリーダーシップを持った人物がチームメンバーに発破をかけていくというのも、チーム作りの1つの手法ではある。例えば困難にぶつかった時こそはやはりリーダーシップを持った人物がいてくれると、挫けそうな気持ちを奮い立たせてくれる存在となってくれもするだろう。


ただリーダーシップは何もリーダーしか持ってはいけないものではない。チームにいる全員がリーダーシップを持ってもいい。チームビルディングがきちんとなされていれば、それぞれに牽引する力があってもそれはピンと張った糸のようにお互いに作用しあって力強さを増すはずだ。



自分はアスリートではなくデザイナーだ。
ただチームで1つのものを作り上げる、1つの目標に向かっていくという点において、チームメンバーと力を合わせるのは職種に限らず変わりはない。



この「日々、努力」を読んで、チームビルディングを成すための考え方と立ち回り方について、自分にとってとても大きなものを得られたように思う。