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日本一のお豆腐を食べに宮古島へ、しまどうふ巡りの旅

神奈川県住まいの浅薄な社会人であるところの自分からすると、沖縄といえば青い海、白い砂浜、ソーキそばにゴーヤチャンプルー。そしてなんといってもしまどうふである。


しまどうふというと、木綿よりもっとしっかりめのお豆腐を思い浮かべる人が多いが実はそれはチャンプルー料理に寄せて作られたしまどうふの1種であって、しまどうふにはもっといろんな種類がある。今回のこの記事では島で作られている豆腐をまるっとしまどうふと定義して進めていきたい。

日本一になったお豆腐を食べたい

2018年10月、豆腐業界に激震が走った。それは北海道で行われた第4回全国豆腐品評会の最優秀賞に選ばれたのが、会場からなんだったら1番遠いんではなかろうかという沖縄県の宮古島にある「まごとうふ」さんが作るおぼろ豆腐だったということだ。



自分はその会にはもろもろ諸用があり参加できなかったのだが、参加し現地で食べた人たちから話を聞くに「これはたしかに最優秀をとるのもうなずける」という味であったということで、もう俄然食べたくなるのも無理からぬ話である。


そもそも沖縄はやはりしまどうふ文化な土地柄なので、まさか沖縄でおぼろ豆腐を作っているというのも驚きだし、さらにそれが最優秀賞をかっさらってしまうくらいにハイクオリティだというのも「すげぇ」しか言いようがない。


ああ、食べたいな。
そうだ、宮古島いこう。

宮古島でしまどうふ巡り

土日を含めた3連休を活用して2泊3日の島旅にでかけることにした。なんやかんやあちこちの島にでかけているものの、実は沖縄の離島はこれが初めてだ。


せっかく宮古島まで行くのだからどうせなら色々なしまどうふを食べたい。
少ない情報を手がかりに事前にちまちまと情報をかき集め、周る場所をチェック。また今回絶対立ち寄りたいメインのまごとうふさんにはあらかじめFacebookページからご連絡をして営業時間を確認しておいた。




お豆腐屋さんというのは基本日曜がおやすみで土曜・祝日は比較的営業しているところが多い
まごとうふさんも、今回土曜と祝日の月曜は営業しているということでどちらかの日に伺うことに。残念ながら初日は飛行機が遅れたこともあって日暮れ後の到着となったので、しまどうふ巡りはまるっと月曜日にまわし土日はゆるゆると島観光をした。伊良部大橋が最高にきもちよかった。

そして待ちに待った月曜日、朝食も食べずに住所を頼りにまごとうふさんに向った。

日本一のお豆腐との対面

「販売スペースないんでわかりづらいと思います」と事前にまごとうふさんから聞いてはいたものの、パッと見、本当にお豆腐屋さんなのか、そもそももし店だとしてもやっているのかよくわからない外観だった。

ただしそこはキリといえども豆腐マイスター、外に出ている機材でお豆腐屋さんであることはわかったのでとりあえず奥にずんずん進んでみる。
建物と建物の間にある扉の向こうにお豆腐屋さんの白衣を着た人をみつけ、声をかけるとまごとうふの店主である下地直弥さんだった。

挨拶をして話を聞くと、ちょうど作り終えたところでまだ冷えていないのでお昼ぐらいにまたとりにきてほしいとのこと。
ほしい個数を予約してその場を離れようとおもったが、ふと思いついてできたてのおぼろ豆腐を1つ買わせてもらうことにした。せっかく現地まで来ているのだから出来立てのものと食べ比べがしたい。


塀を机に晴れ渡る空の下、できたて豆腐で朝ごはんタイム。


できたてでまだほかほかぷるぷるしているおぼろ豆腐をまずはそのまま一口。
あ〜〜〜これは......うまい。


うまいっていうかうまい以上というか、これはなんていうかもう濃厚な豆乳をそのまま口に含んだかのような感覚だ。お豆腐じゃなくてすごい豆乳のかたまりだ。これまで食べたどのお豆腐ともちがう。できたてだからより、豆乳からお豆腐になる瞬間のなんともいえない状態が味わえた。いやこれは飲めるわ。


うまうま言いながら全部食べきってしまいそうなところを抑え、おぼろ豆腐についてきたポン酢をつけてみた。これがまたお豆腐のよさが引き立ってうっまい。正直、ポン酢自体の味が強くてお豆腐によっては負けてしまうこともあり普段あんまりかけない派なのだが、これはお豆腐の味も食感もめちゃくちゃ確率されているのでポン酢が最高に合う。このお豆腐はたしかに醤油でも塩でもなく、ポン酢がうまい。しかもお豆腐にデフォルトでつけてくれるなんてありがたさしか感じない。ありがとうありがとう。


お土産に持って帰った豆腐を後日家で食べると、しっかり冷やされて存在感が増したおぼろ豆腐は一口食べただけで幸せを感じた。
ちょっと小ぶりだなぁなんて思っていたが、この濃厚さだとこのくらいのサイズ感がちょうどぴったりだ。

しまどうふ食べ歩き&お土産購入

素晴らしい朝ごはんを終え、近くの宮古神社にお参りし、ついでに目の前のパイナガマビーチでちょっと遊んでいたらいいかんじにお昼も近づいてきたので、再びまごとうふさんに行きよく冷えたおぼろ豆腐をゲット。
夕方には飛行機に乗らなければいけないので、あらかじめ登録しておいたGoogleマイマップを見ながら目当てのお豆腐ポイントに車で移動していく。

皆愛屋

そしてとりあえずお昼ご飯をということでやってきたのは「皆愛屋」。宮古そばを出してくれるところなのだがなんといっても注目したいのは、たっぷりゆし豆腐がはいっているところだ。ゆし豆腐はしまどうふの1つで、海水で豆乳を煮立てて作るふわふわしたお豆腐だ。それがこれでもかっというくらいたっぷり入っている。

ん〜〜〜〜。ふわふわのゆし豆腐が宮古そばのスープとよくあってもうずっと食べ続けられる。そば自体も、今回の旅のなかで食べた宮古そばの中で1番うまい。満足感がはんぱない。

みやことうふ

今回の旅で本当に偶然に発見したお豆腐屋さん、それが「みやことうふ」さんだ。たまたま2日目の夜、温泉に向かう途中の道すがらに見つけ「絶対に明日行こう!!」とおもってやってきた。時刻は14時頃。

そもそもお店として機能してるんだろうか(残念ながらお豆腐屋さんは閉店しがちである)という一抹の不安を覚えながらも、ガラス戸から中をのぞいてみると、どうやら豆腐を作ってそうな雰囲気がある。ただもう人もおらず豆腐も見えず、これはもしかすると卸し業だけなのかなぁ、なんて諦めていたら後ろから声をかけられた。店の隣の畑で作業をしていたおばあちゃんだった。


話を聞いてみると、その方のお子さんがやっているお豆腐屋さんだそうで11時頃にはもう売り切れてしまうらしい。まごとうふさんだけかと思っていたが、宮古島ではお豆腐屋さんは販売スペースがないのが普通で、お店に電話するなり直接行くなりして声かけて買っていくスタイルなのだそうだ。


売り切れてしまったものは仕方がないがあきらめきれないので、あとから配送してもらうことはできないかとダメ元で聞いてみると、とりあえず電話して聞いてあげると優しいお申し出のもと、店長さんと電話でお話。


結果、島にある「あたらす市場」に14時にお豆腐を卸したばかりなのでそこに行けばまだきっと販売しているはずだ、と教えてもらった。
御礼をいって市場に行ってみると、発泡スチロールの中に納品されていたお豆腐を発見!やったー!

宮古島のひとの優しさに助けられた豆腐道中だった。

石嶺とうふ店

宮古島で1番有名なお豆腐屋さんと聞くと、「石嶺とうふ店」と答える人が多い。以前に料理番組の麻婆豆腐テーマの回で取り上げられて以来、たびたびメディアに登場していたそうだ。


ということもあってか島内の飲食店では石嶺とうふ店さんのお豆腐を扱っている店が多い。
島の素材を使っておいしい和食を提供してくれる「ぽうちゃ たつや」もその1つ。

店内は写真NGだったため料理の写真はないが、石嶺とうふ店さんの木綿豆腐をつかった冷奴、厚揚げ、がんもなどの料理を楽しむことができる。また泡盛の種類も豊富で宮古島に訪れたらとりあえず立ち寄ってほしいお店でもある。


そんなわけで木綿豆腐は大量に食べたので、石嶺とうふ店ではゆし豆腐をゲット。
ここも販売スペースはなく、豆腐の製造スペース横に豆腐を置いておく場所があり「お豆腐ほしいんですけど」と声をかけると出してもらえた。

株式会社しまとうふ

しまどうふは普段近所で見慣れているいわゆるお豆腐パッケージに入っておらず、袋にはいった状態なのだが、この株式会社しまとうふさんは、あちこちの市場でパッケージで展開されているので非常にお土産向きである。
ちゃんぷるー豆腐というチャンプルー向きのかためのお豆腐(おそらくしまどうふと言ってみんなが想像しやすいタイプ)も扱っている。

まごとうふさんのおぼろ豆腐も売っている「島の駅みやこ」でも株式会社しまとうふさんの商品の取り扱いがあるので、そこでまとめてお土産に購入するのもおすすめだ。


宮古島でしまどうふを満喫するには

宮古島でしまどうふを食べたい。お豆腐屋さんに買いに行きたい。
もしそう思ったら、思ってもらえたら、注意してほしいのはたった1つ。時間だ。
お豆腐屋さんは基本朝早い。そして特に宮古島のお豆腐屋さんは閉まるのもはやい。売切御免な販売ペースだ。


どうしても買いたい場合は、電話などで事前に買いたい豆腐を連絡しておこう。どうやら現地の人もみんなそんな感じで買いに行ってるようなのだ。事前の電話は11時〜12時あたりのお昼ぐらいがギリギリいい時間だろう。


今回はありがたいことに天気にも恵まれて、いいしまどうふ巡りの旅になった。
またどこかにおいしいお豆腐を求めてふらふらとでかけに行きたい。