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醸造科oryzae × 三善豆腐工房のコラボ食イベントを開催した話

2019年8月25日に、錦糸町駅近くにある日本酒と創作料理のお店「醸造科oryzae」で豆腐と日本酒のイベントを開催した。
記録としてイベント開催までの流れから当日の様子を残しておきたい。


コラボイベントするに至った経緯

2019年の春先、三善豆腐工房のオーナー・平田さんと大豆問屋「丸金」の代表・金原さんと一緒に飲みに行った。
豆腐アレコレなお仕事をなんやかんやと以前からお手伝いさせてもらっており、三善豆腐工房の豆腐を卸している「醸造科oryzae」がおいしいんだよということで連れて行ってもらった。
ちなみにそのときの様子がこの記事だ。

記事のとおり、おいしい料理とまたそれにあう日本酒をどんどん出してくれるこのお店最高だ!と盛り上がったなかで、なぜ三善豆腐工房の豆腐を使うようになったのかの話を聞いた。
なんでも、醸造科oryzaeの現オーナー・渡辺さんが移動販売していた三善豆腐工房の豆腐を買って食べたらめちゃくちゃおいしかったので交渉して仕入れさせてもらうようになったという。


わかります、おいしい豆腐食べると感動しますよね。
せっかくならおいしい豆腐のことを伝えるイベント一緒にできないですかね。
豆腐料理にあう日本酒もあわせて出してくれたら最高すぎます、個人的に。


という半ば酔っ払いの勢いそのままに、しかしオーナーたちがのってくれて一緒にイベントを開催することにあいなった。

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左・醸造科 oryzae オーナー 渡辺 竜太郎さん、右・三善豆腐工房 オーナー 平田 慎吾さん


イベント当日、大豆と豆腐を食べ比べ

そうしてなんやかんやと準備期間を経て当日を迎えた。
予約は満員15名で申し込みがきていたが、時間になって本当にお店の席が埋まるまでそわそわと落ち着かなかった。


まず最初に微炭酸の日本酒・神亀スイートスカッシュで乾杯しながら、蒸し大豆の食べ比べ
この日用意したのは、千葉の「小糸在来」と奨励品種の「里のほほえみ」。
「味がこんなに違うことに驚いたし、蒸し大豆だけで十分つまみになるのはいい発見でした」と言ってもらえたのがうれしかった。

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左・小糸在来、右・里のほほえみ

大豆をつまみながら、三善豆腐工房のオーナーに小糸在来を使って豆腐作りを始めた経緯などを語ってもらった。
こうした在来大豆は品種改良された種類よりもやはり味にそれぞれ特徴があり豆腐にするとむちゃくちゃうまいのだが、大手メーカーが使えるほどの生産量はない。また逆に使われなければ農家さんはすぐ作るのをやめてしまう。だからこそ町の豆腐屋が積極的に活用していくことで、スーパーやコンビニに並ぶ豆腐とはまったくちがう豆腐を楽しむことができ、また在来種の存続に繋がっていき、いいことづくめなわけだ。



また話途中で豆腐2種類の食べ比べをした。

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左・小糸在来の豆腐、右・コンビニの豆腐

1つは三善豆腐工房でつくった小糸在来の絹豆腐、もう1つは始まる直前に買ってきたコンビニの豆腐だ。
何も説明せずにまず食べてもらったが、来たお客さん全員がその違いに気づいた。
コンビニ豆腐だってダメということはないし、料理方法や食べ方によってその豆腐の活かし方は変わるので、あくまでも大豆や作り方の違いで豆腐にはこれだけの違いがでるよということを知ってもらえればいいなというきもちだ。


oryzae渾身の豆腐やおから料理の数々

さてここからは醸造科oryzaeオーナー渾身の料理をどんどこと紹介していきたい。


まず最初に出されたのは桃と梨のマスカルポーネ白和え。こちらはお店の定番メニューだ。

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新鮮な桃と梨の甘みがマスカルポーネのまろやかさと相まって口の中がしあわせになる。



「さて揚げますよ」という声がかかると同時にパチパチといい音をして揚がっていくのは油揚げだ。
この日のために事前に三善豆腐工房でつくった油揚げのタネを、今回限りその場で揚げだしていく。

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油揚げというと「余った豆腐を揚げているんだよね」という人がいるが、それは大きな勘違いだ。
そもそも豆腐と油揚げとでは豆乳の濃度が全然ちがうし作り方も異なる。
油揚げ用のタネをつくって寝かせたら、温度の違う油で揚げることでフワフワ大きくサクサク香ばしくなるというわけだ。

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というわけで出来立ての油揚げをまずは何もつけずにパクリ。うまい。全然あぶらっこくない。
あまりにも全員がペロリと平らげてくれたため、全員に急遽2枚目の油揚げだしをふるまった。



次はイワシのおから〆と豆腐のカプレーゼ
トマトの間にあたかもチーズのようにはさまれているのはオリーブオイルに着けた豆腐だ。
チーズよりもさっぱり食べられて、トマトのみずみずしさと合う。

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おからを酢でしめて、その中で寝かせたイワシは個人的にこの日のMVPだった。
おからでしめるとこんなにもやさしい味になるのか......むっちゃ好き......。



お次はいしなごと発酵白菜の湯葉巻き。湯葉もoryzae手作りの一品。

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小皿に入ったスープが、それぞれのうまみがぎゅっとだしとしてしみでていて、身体に染み渡る。
店内で何が好きか尋ねるとこの料理がよかった、という人が多かったので、もしかしたら今後oryzaeのメニューに入るかもしれない。



ごはんの〆にきたのは、なんとおからの手巻き寿司

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おからを1度でも料理でメインに使ったことがある人ならわかってもらえるとおもうのだが、おからをこういう風にギュッとまとめるのはものすごくバランスが難しい。
あんまり水分が足りないとパサパサしておいしいどころではないし、かといって水分を与え過ぎてもべしょべしょになる。
それをこんないいバランスで手巻き寿司にできるなんて、oryzae渡辺さんの努力をおもうとありがたがって食べるよりない。

そして何よりうまい。すごいうまい。

具はかんぴょうとマグロで、それぞれおからの味付けも変えられている。
ご飯の手巻きとちがって、スルッと食べられるのがいい。
ただ、渡辺さん的にはまだもっと改良の余地があるとおもっているそうで、今後またもしかしたらどこかで食べられる機会があるかもしれない。



デザートは、豆腐ときなこのアイス

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ジェラート的なかんじで凍っているとシャリシャリとした食感だが、ちょっと溶けてくるとフワフワな食感になってこれがまたたまらなくうまい。
上にかけられた黒蜜もあわないわけがなかった.......。


あわせて出されたおから茶は、渡辺さんが一生懸命お店で炒ったおからでつくられたもの。
炒ったおからはそのまま食べても香ばしくて、薬味としても使えそうだった。

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どの料理にも、完璧にあいまくるお燗が出てきて本当にどれもおいしかった。
日本酒を飲ませてくれるお店は数あれど、お燗ばかりでこんなにもおいしくいただけるところはそうそうない。
料理も豆腐も日本酒も満足すぎるくらい満足だった。渡辺さんと平田さんに感謝しかない。

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これからのイベントについて

今回は初めての取り組みということで、全員が手探りの中すすめた。
結果、来た方にも主催チームも満足できるイベントにはなったが、まだまだできることはありそうだと感じている。
もっともっと豆腐でできるおもしろいネタがいっぱいあるので、他に何から手をつけようか迷うほどだ。

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会終了後に、主催チームで次回開催のための検討



また冬近くにでもイベントができたらいいね、と話しているのでどうかその際は足を運んでもらいたい。